2023-09-03

あえて

どんなものにも優劣がある。なにかしらの基準に従い、まっ黒からまっ白までのグラデーションの中に位置付けられる。ボードゲームであればその基準の一番重要なものは「おもしろさ」となるでしょう。その「おもしろさ」がなんとも微妙なものだけを選別して遊ぶという、なんとも奇妙な会に参加してきました。その名もPTA会*1

普段であれば歓迎されないようなゲームを、むしろ喜んで前のめりに遊ぶ、一種の倒錯。悪いものが良いというあべこべの世界。流行りのタイパで換算したら圧倒的マイナス行為。でもこれがすごい楽しいんですよね。

おもしろくないゲームの中でも、もっとも愛おしいものは、おもしろいゲームを作ろうという意思を感じつつも技量なのか予算なのかさまざまな理由によってヘンテコなことになっているものです。完璧になろうとする姿勢はなんだって美しい。 あとはあまりにも投げやりなやつも最高。いい大人が雁首揃えて作ったんだよな…?と制作時のイメージが勝手に膨らみます。

逆に、おもしろくないゲームの中でも唾棄すべきものは、作為を感じるものでしょう。あっしはクソゲーですぜ旦那、とやたら主張してくるタイプのあざとさ。コンペで作られたB級グルメ

一般には評価されないものを、別の軸でなんとか評価しようとする姿勢を持つことはとても大事なことだと思う。ただの天邪鬼と言われればそれまでなんだけど、みんながみんな同じものを良しとする世界はたぶんつまらない。いいものはちゃんといいものとして扱いつつ、よくないものをあえて持ち上げてみる。邪魔な石の下にはだいたいはダンゴムシがいるぐらいだけど、ダイヤの原石とかがたまには落ちてるかもしれないし。

*1:何の略なのかいまだに知らない