2023-05-14

エンカウント

3月あたりから徐々に雑草が元気になってきて、油断すると自宅のまわりが自然でいっぱいになる。1ヶ月程度のスパンで雑草の種類もいろいろ移り変わるから、春→夏→秋のグラデーションを目で感じられる。
近所に、長く人が住んでいない家がある。その家の前は当然ぼうぼうと雑草が生えていて、自宅に続く道をも侵犯するのでけっこう困る。勝手に除草剤を撒くわけにもいかないし、誰が管理しているかもわからないからどこに連絡していいかわからない。困る。
そんな隣の家が、今日、きれいに草刈りされていたんだけど、タイミングがおかしい。
朝に家を出て昼間に帰った段階ではまだ草まみれだったはずの道が、15時に郵便物を取りに外に出たらあれだけ生えていた草がない。空隙のわずか1〜2時間で、いったい誰が…。
この感覚は、昔に遊んだRPGで、イベントがぜんぜん発生しなくて途方に暮れていたら、宿屋を出た瞬間にイベントが進んだときの感覚に近い。建物の出入りの回数がカウントされていて、一定値を超えたときがトリガー。
子供のころ、そろそろ届くはずの手紙が気になって、なんども玄関前を覗いて、郵便局のバイクが来ないかをチェックしていたことがある。だいたい、諦めて部屋で漫画を読んでるうちに、いつの間にか手紙の配達が済んでいる。
箱の中身は開けるまではわからない。100回開けても空だったとしても101回めは何かが入っているかも知れない。現実は曖昧に濃淡だらけだから、劇的な変化にときたま出会って、心をどぎまぎさせたい。

帽子

「かぶり続けると慣れますよ」って帽子屋さんは言うけども、新しく買った帽子をかぶって鏡を見た瞬間の違和感は、新学年で行われる新しいクラスでの最初のホームルームのように、いつもつらい。